よもとら diary

ボールペンや水彩の描き方、野菜栽培、心霊話、脱ステ経験談など経験を元にした雑記ブログです。主に17:00更新。

絵が上手くなる方法とかよくある話(体験談)

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 よく絵が上手くなる方法などの記事を目にします。私が絵を描き始めて現在までの体験談を書いていきたいと思います。

 

 私が最初に絵を描いたのは小学1、2年の頃でした。近くの席の人が自分の部屋の絵を描いたのを周りの人達に見せていて、私も部屋の絵を描きたいと思ったのがきっかけでした。その子は自分の部屋の絵で私は自分の部屋がなかったので理想の部屋を想像して描いていました。

 

未熟な想像力や部屋を持っていない私にとっては絵を見せていた人の絵を思い出しながら描くのがやっとでした。私の時代では筆箱や他人の教科書を勝手に使ったりしていた時代なので理想の部屋の絵を見られた時に真似されたなどと騒ぎ立てられました。

 

そうゆうことがあると絵を描きたくなくなりますよね。だけどその時の私は、その人よりももっと絵が上手くなって黙らせてやりたいと思っていました。

 

 そんな私がとった方法はうつし絵でした。薄いペラペラの紙をポケモンのゲーム攻略本に描いてあるイラストの上にのせてなぞって普通の画用紙にカーボン紙をしいてその上にペラペラの紙を置いて描いた絵をなぞるという事をしていました。

 それから自分は絵が上手いと錯覚して、次は紙にこだわっていく様になり、よく絵葉書などで使う様なキラキラしたハガキサイズの画用紙を買い集め、漫画などの気に入った場面があればキラキラの画用紙にうつし絵をして、色鉛筆で染めて自分の寝床に飾るという事を繰り返していました。

 また、その時辺りから家にパソコンが設置されて絵のサイトを見つけては片っ端から読み漁ったり見たりしていました。

 

 お気に入りの絵はお守り代わりに学校の手帳に挟めて持っていたので、また騒ぎ立てられる事になり、色んな人から絵を描いて〜と言われる様になりました。

苦行の始まりです。毎日毎日知らぬ人からも絵を描いてと言われます。知らぬキャラ知らぬアニメ色んな名前を言われました。その度に漫画や雑誌を買ってうつすことも出来ず、そこでカーボン紙離脱を始めます。ずっとなぞって描いていたこともあり、大方の位置などは把握して見て描く程度なら普通に描ける様になっていました。

 

 小学高学年あたりから中学卒業までは絵を描いてと言われるとほとんどは描いていました。

ただそれで仲違いを起こすこともありました。描くことが苦痛になり、もう描かないとなると皆んな離れていくのです。最初はそれで学校に行くことも嫌になる時もありました。

やはりひっそりと描くのが1番です。

 

そんなこともあり、またそれが修行にでもなったのか中学卒業の頃にはアニメ漫画の絵であれば、見て描いて特徴を掴んだら見なくても描ける様にまでなっていました。

 

 そのくらい描ける様になって久々にうつし絵をした時に不思議な感覚になりました。

るろうに剣心の瀬田宗次郎が好きで、自分で描いても上手く描けなかったので久々にカーボン紙をしいて描き終わって、いざ絵を見てみると表面だけの薄っぺらい線の集合体にしか見えず、ボーッとした感覚に襲われました。その時に絵に魂がこもるとはこうゆう事なんだと気づきます。

 綺麗な絵、良い絵、悪い絵とか表面だけの評価ではなく、作者が考えぬいて経験して培った技術で絵を描くという過程の元に一つの作品としての絵があるんだと実感しました。

結果ではなく、過程が大事なんだと気づきました。

 

 それに気づいて絵の勉強をするかと思いきや、違うものに興味を見出し4、5年ほど絵を描かなくなります。高校から興味を引かれていたのは舞台演劇や声優でした。今思えば、それも絵を描く上での勉強になったのかと思います。

演劇では、役者の立ち位置やライトの当たり方、小道具を置く位置、台詞などの言葉の背景などの勉強をしました。

絵を想像する上でも大事なことです。1番見せたいものをどこに配置するか、色の使い方、1番見せたいものに対しての周りの位置、作品の背景等似通った所が沢山あります。

アニメーション制作の動画を見た時も基本は変わらないんだなと思いました。アニメーションだともっと深い所まで追求しないとになりますが…。

 

 高校を卒業して演劇の勉強をしたいなと思い、上京までしたのですが無理だなと思ってやめて自分が培ってきたもので何かできないかと思い、また絵を描き始めます。

 画材は最初、水彩絵の具を使っていました。いつしか片付けが面倒になり、変わりはないかと思いボールペンにたどり着きました。

 絵とは無縁の経験をしてきたと思っていたのですが、不思議と関係があった様で久々に描いたのにも関わらず絵の衰えはありませんでした。なんなら線の数が少なくなり、すっきりしていました。

 

 演劇で培った観察眼や想像力を使い、絵では見えない所や細部まで観察し描いてみると自分が思っていたよりも早く絵が上達しました。空間の把握や見せ方も格段に上手くなりました。ネットや動画で絵のドローイング動画を見ていいなと思った描き方を少しずつ自分の絵にも取り入れていきました。

 

 ボールペンで絵を描いて2年ほどになり、絵をネットに載せた所、海外の企画にも参加する事になりました。海外に出した作品はほとんど売れ、特別賞を頂いたり海外の広告雑誌に載るなどびっくりすることが多々起こりました。

 

 そんなことが起こっても人間、飽きがきます。ある日を境に苦痛になってきます。苦痛になり、つまらないと感じたら休むかやり方を変えるか、遠ざかってみるかしかなかったです。私の場合は遠ざかって自然や動物の観察をしていました。絵を描くという事自体を忘れる日が続き、勝手に流れてきた絵の動画を見るとまた描きたい欲に駆られて無限ループをするようになりました。

 

  絵を描いてない時期をひいて今の絵になるまで15年かかりました。絵が上達する上で大事なのは飽きない事、周りから何言われても挫折せず描き続ける事、何事も観察して学びを得る事だと体験から思いました。